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ウェールズの歴史とマビノギオンの成立
ウェールズは、英国(正式名称 the United Kingdom of Great  Britain and Northern Ireland)を長い歴史のなかで構成してきた4つの国の1つで、国の南西の一角に位置している。ここには、ヨーロッパ最古の民といわれるケルト人のなかで、島のケルトと呼ばれる人々━カムリ人が、古くから住みついていた。
1世紀半ば、ローマ軍のウェールズ侵攻が始まり、4世紀末に撤退するまで、ウェールズはローマに支配された。5世紀になると、侵入してきたアングロ・サクソン人との戦いが始まり、いくつもの小王国が生まれ、また消えていった。そして、13世紀後半、エドワード1世によって制圧され、イングランドの支配下におかれることとなる。
このような波乱の歴史のなかから物語が生まれ、バルズと称された詩人たちによってながく語り継がれ、おそらく11世紀後半ころから修道僧たちによって書きとめられ、1冊の書物の形となったと考えられている。ウェールズの言語文化の宝・散文物語集『マビノギオン』の成立である。
この物語集を含むまとまった写本は2種類現存している。1つは、ウェールズ国立図書館所蔵の『レゼルッフの白い本』、もう1つは、オックスフォード大学ジーザス・カレッジ所蔵の『ヘルゲストの赤い本』である。『白い本』は14世紀初めころ、『赤い本』は14世紀末から15世紀にかけて写されたものと推定されている。


『マビノギオン』の構成
『マビノギオン』に集められた11編の物語は、神話、伝説、民話と多岐にわたっているが、内容のうえから以下の3つのグループに分類できる。

【1グループ】マビノーギの4つの物語
ウェールズに伝わる神話の影を色濃くとどめ、不思議話の要素がふんだんに見られる物語群
第1話/ダヴェドの大公プイス
第2話/スィールの娘ブランウェン
第3話/スィールの息子マナウィダン
第4話/マソヌウイの息子マース

【2グループ】カムリに伝わる4つの物語
2つの短いウェールズ民話と、族長アルスルと彼の戦士たちの活躍を描き、のちのアーサー王伝説群の原型となったと見られる2つの物語
第5話/マクセン・ウレディクの夢
第6話/スイッズとスェヴェリスの物語
第7話/キルッフとオルウェン
第8話/ロナブイの夢

【3グループ】アルスルの宮廷の3つのロマンス
素材はウェールズのものでありながら、ノルマン系フランスの影響を受け、洗練された優雅な雰囲気の漂う宮廷ロマンス
第9話/ウリエンの息子オウァインの物語、あるいは泉の貴婦人
第10話/エヴラウクの息子ペレドゥルの物語
第11話/エルビンの息子ゲライントの物語

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