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2014.02.28  30年前の今日、1984年2月28日


金子みすゞの3冊の遺稿童謡集

30年前の冬、毎晩1人、みすゞの詩に向き合っていました。前々年の6月に、矢崎節夫先生が16年の歳月をかけて見つけだした幻の童謡詩人金子みすゞの遺稿集を、『金子みすゞ全集』として発行することを引き受けていたからです。しかも前年の暮れには、朝日新聞に『全集発行』の大きな記事が出てしまったし、3月10日のみすゞ忌には、長門みすゞ会主催の出版祝賀会も決まっていました。だから、それまでには、何としても出さなければならないのでした。それなのに、旧漢字と新漢字の区別に手間取り、「、」「。」に悩まされ、編集作業は遅々として進みませんでした。
まど・みちお先生に編集委員をお願いしにうかがったとき、「よく全集発行の決心をしましたね。きっといいことがありますよ」といってくださった。それに、何十遍となく読み返したみすゞの詩のなかに、静かに、けれど揺るぎなく満ちているみすゞの情熱に捕えられてもいたのでした。ただ、無我夢中だったような気がします。
そして2月28日。何とか詩集はできあがりました。特染めの水色の布クロスを着て、開くとぱっと明るいクリーム色のページが現れて、そのなかに活字になった512編のみすゞの詩が、「何時でもみなさんの心にとどきますよ」、と待っているのでした。
没後54年の眠りから醒めて、再びみすゞがスタートラインに立った日、1984年2月28日。この日がなければ、「私と小鳥と鈴と」も、「星とたんぽぽ」も、「こだまでしょうか」も、「わらい」も、読むことはできなかった。だから、2月28日は、たいせつな記念日です。

あの日から30年たった今日、うれしいはずの記念日に、悲しいニュースが飛び込んできました。『金子みすゞ全集』の編集委員のお一人だったまど・みちお先生が本日亡くなられました。全集発行からちょうど30年、見守り続けてくださったのですね。まど先生、ありがとうございました。やすらかにお眠りください。

JULA出版局代表 大村祐子


限定版『金子みすゞ全集』1984年2月28日発行

投稿者 JULA出版局 (22:19) | PermaLink
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