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2014.08.29 朝日新聞に広告を掲載します
朝日新聞9月14日(日)朝刊1面にカラー広告を掲載します。
金子みすゞの作品が甦って30年の今年、
教科書でみすゞの詩に出会った子どもたちが、
もっとみすゞを好きになってくれるといいなと生まれた絵本、
『おひさん、あめさん』です。
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2014.08.01 【インタビュー】工藤律子さんに聞く(4)
今こそ、そしてこれからも…「貧乏なんてこわくない!」
――『仲間と誇りと夢と』著者・工藤律子さんに聞く(4)
工藤律子さん(撮影・篠田有史さん)
2002年、JULA出版局は工藤律子さんの著書『仲間と誇りと夢と――メキシコの貧困層に学ぶ』を出版しました。ストリートチルドレンの問題を追いかけていることからJULAと知り合った工藤さんの、ジャーナリスト人生の原点にあるのは、メキシコシティのコロニア・ポプラールと呼ばれる貧困層居住区(スラム)で自分たちの生活をよいものにするために闘っている人たちとの出会いです。先の見えない壮絶な闘い、でも、そこには仲間とのきずながあり、日々の楽しさがあり、小さな夢でも実現していくエネルギーがありました。
今、スラムの人たちはどんな生活をしているのか、つねに日本とメキシコを並行して見てきた工藤さんが今感じていることは何か、インタビューさせていただき ました。
前回までのインタビューはこちらから…
◎第1回「貧乏でも豊かなくらしをしている人たちのことを知らせたい、それが今の仕事の原点」
◎第2回「追いこまれている今だからこそ、幸せに生きるために必要なものを考えたほうがいい」
◎第3回「「もう一つの経済」――お金がなくても絶望しなくていい」
4.お金をためるためより、自分らしく生きられる環境づくりに
エネルギーを注ぐほうが楽しい!
『仲間と誇りと夢と』に登場する“仲間”の子どもたち。
週末にはこうして集まって食事をしていた。(撮影・工藤さん)
工藤/まわりとのちがいや「日本の常識」といったような物差しから自分を解放する必要がありますよね。問題になっている「孤独死」の可能性があるとか、そういう状況にいる人たちでも、既存の経済に依存しない形でも幸せに生きていけるって考えの人や、貧乏でも「ないものはないで、みんなでなんとか力を合わせればいいや」って思っている人たちは、たとえ年金がそんなになくても、まあなんとかなると、思えなくもないんじゃないかな。
編/お金がくさるほどあっても、一人ぼっちで誰ともつきあわなかったら、はたしてそれは豊かな生き方なんだろうか、ということもありますしね。
工藤/その話でいうと、よく最近、ずっと独身で、50代、いやもっと早いのかな、40代くらいから、自分の老後をプランして…なんてサービスがあるじゃない? 老人ホームから、葬式から、遺言状から…この先自分は結婚しないとか、していたけど連れ合いは亡くなって一人だし、子どもに世話になるつもりはない、あるいは世話してくれないから一人だ、っていう人たちのために、今からすべてを自分で準備しましょう、ってことを勧めるような経済番組なんかも。
編/40越えたあたりから、どこで調べてくるのかわからないけど、「あなたの今後の人生考えてみませんか?」みたいな、ライフプランニングのDMが届くようになりました。
工藤/本当に? ああいう番組に出てくる人は、「人に迷惑かけたくないからちゃんと契約をしてる」ってことを言うけど、お金を払って準備するサービスを利用できるってことは、つまりお金があるってことじゃないですか? でも、みんながそういうことができるほどお金をもってるわけじゃないから、結局、お金がある人だけは自分で準備して、そつなくこの世を去り、お金のない人は死ぬまで不安にかられながら孤独に生きていくっていう発想にならざるを得ないかのように見える。
でも、それは変な話で、そんなことを言ってたら、世界の大半の国は、そんな準備なんてできない人間のほうが大多数だから、老後はみんなで悲しく、寂しく生きていかなきゃいけなくなっちゃう。でも、実際にはそうじゃない。むしろ貧しい国のほうが、お金はなくてもみんなにみとられて、なんだかんだいって、死ぬまでちゃんと食べてはいけるし、生きていけて幸せな人が多い。おなかいっぱいじゃなくても、少なくとも飢え死にはしないで、人生全うしている人がいる。そう考えると、われわれがすべきことは、自分のこの先の人生を自分の金でなんとかすることを考えることじゃなくて、むしろ最後まで、お金があってもなくても、自分らしく、幸せだなって思って生きられるような環境づくりだというふうに思うんだけど…
住宅の自力建設について話し合う住民組織の仲間たち。
右側で書類を手にしているのがテレサさん、その左がマヌエルさん。(撮影・工藤さん)
編/私、以前に少しだけいた出版社で、有料老人ホームのムックを担当したことがあって、その取材で、いろんな有料老人ホーム、それもわりと初期費用何千万円、プラス毎月何十万、を払って生きていく、セレブお年寄りたちの取材をさせていただいて、結論としては、「こういう豊かな老後のためには、みなさん今からお金が要りますよ!」という思いをすごく煽る一冊だったわけです。取材しながら、私には縁がなさそうだし、ちょっとちがうなぁ、って思ったんですよね。そのなかで唯一、現実的に思えたのがグループホーム。そんなにお金もかからずに、とにかく一人になったときに、どうせマンション借りたってお金はかかるから、一人ぼっちでいるよりは、グループホームで同じような境遇の人たちと一緒にくらしていく、というような。募集人数に対して希望が多いから、なかなか入れないみたいですけど「これなら行けそう!」って思って、力を入れて記事を書いたら、「これはそんなに売りにしなくていいから」って(笑)。
工藤/いやあ…自分がそう思いたいからってこともあるけど(笑)、お金がないとまともな老後が送れないなんて思ったら、マジョリティの人間は絶望しなきゃいけない。そんなことをみんなで普通だと思うのは、はっきりいって自分たちのためにならない!
編/お金をこつこつためこんで、「人に迷惑かけない」って思ってるよりは、どんなことをしたって、多少は迷惑かかるもんだって思って、ちゃんと人とつながっているってことのほうが大事だって、もうちょっとみんな気づけばいいんですけどね。
工藤/マヌエルたちなんか見てて、そこを訪ねた私たちがなんとなく安心感を覚えるっていうか、家にいるだけでほっとするっていうのは、そういうところにあるんだと思います。仮に自分が文無しになっても、彼らといれば、というか、こういう人たちといれば、なんとか生きてはいけるだろうって、思えるものをもっているから。だから私たちも、そういうものを創ることにエネルギーを注ぐほうが、お金をためることにエネルギーを注ぐよりも、エネルギーを注いでいるあいだも楽しいし、正解だと思う。
自分が好きなことをやっていてお金が入ってくるなら楽しいけど、お金がないとだめ、ないと困る、お金が一番だ、なんて一種の強迫観念にしばられて必死で稼ぐなんて、馬鹿げてる。そうじゃなくて、自分らしく生きるために、自分がやりたいことに一生懸命に取り組むこと、そのなかで、共感してくれる人とか、力になってくれる人とか、まわりにいる人たちと一緒に生きていこうと思うことのほうが、結果的には今から老後に至るまで、ずっと幸せだと思うんです。
同棲婚だったマヌエルさんとフアナさん、2010年、自宅で結婚式をしました。
後列左から次女、次男、中央「新郎新婦」、
前列左から三女、孫二人 (長男と長女の子ども)。
次男と三女、孫たちは極貧時代を知りません。(撮影・篠田さん)
◆『仲間と誇りと夢と』にまつわるインタビューは今回で終わりです。
子どもたちにどんな未来を届けられるか、そのために大人がどう考えていったらいいのか、
工藤律子さんには今後もいろんな形でお話をうかがっていきたいと思います。(インタビュー・構成 編集部K)

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