お知らせ| 2025.06.05

「仙崎八景」を動画でお楽しみください

JULA出版局のホームページ「動画コンテンツ」のコーナーに、みすゞの故郷~金子みすゞ「仙崎八景」をアップしました。

みすゞの3冊の遺稿手帳のうち3冊目の「さみしい王女」の中にある「仙崎八景」は、昭和初期に書かれました。みすゞは愛着のある故郷の風景を8編の作品にとどめました。

「花津浦」「弁天島」「王子山」「小松原」「極楽寺」「波の橋立」「大泊港」「祇園社」。
いま、これらの場所を訪れてみると、「弁天島」は地続きとなり、「小松原」からは完全に松がなくなり、「王子山」の公園は、春には美しい桜が咲きます。けれども、その変化を忘れさせてくれるほどに、みすゞの作品から当時の風景が甦ってきます。


「仙崎八景」を手掛かりに、みすゞの故郷を歩いてみると、実際に地名が出てくる作品ばかりでなく、様々な作品のフレーズが浮かんでくる既視感を体験できます。みすゞは大都会・下関で、この故郷・仙崎を舞台装置として思い描きながら作品を生み出していたのでしょう。仙崎を歩くことは、みすゞの頭の中、空想の中を歩く体験です。そのことを知っていただきたくて、一昨年、童謡詩人金子みすゞ ふるさと仙崎マップを作りました。マップの中に30編の詩のフレーズがちりばめられています。
みすゞの見た美しい風景を動画から少しでも感じていただけたら、そして「ふるさと仙崎マップ」を片手に長門市、仙崎の町を訪れてくださったら私たちもうれしいです。