金子みすゞイベントレポート| 2025.08.31

イルフ童画館での展覧会が終わりました

長野県岡谷市のイルフ童画館で開催された「展覧会 金子みすゞの詩(うた) 100年の時を越えて」が、多くのご来場をいただき、無事に終了いたしました。会期中に、行われた矢崎節夫さんの講演会「金子みすゞ甦りの軌道~まなざしに導かれて~」、春風亭柳枝さんの落語会「みんなちがって」(「落語みすゞ亭」事務局主催)、そして学芸員の犬塚奈々子さんに聞き手になっていただいた私たちのギャラリートークと、盛況に終えることができ、ご来場いただいたみなさまに感謝いたします。

みすゞのペンネームの由来となった枕詞「みすず刈る」の信濃の地で、また、みすゞより年上ながら同時代に活躍した武井武雄を顕彰する美術館で2か月にわたって行われた展示会。武井が大正11年の創刊から深く関わった絵雑誌「コドモノクニ」の愛読者であったみすゞにとっても、意味のある展覧会になったのではないかと思います。武井武雄の「童画」と、金子みすゞの「童謡」。どちらも子どもに真の芸術が必要なのだという、同じ思想の根から生まれた表現で、ふたりの思いが時代を越えて共振する空間になりました。

6/28に開かれた矢崎節夫さんの講演会

展示をご覧いただいた方からJULA出版局にお手紙をいただきました。
「イルフ童画館の展覧会で金子みすゞの詩に絵をつけた多くの画家の原画を見ました。これほど多くの画家の感性を揺さぶった金子みすゞの詩の力に改めて感動し、絵本を購入しました。老年のカサカサした心にうるおいを与えてもらっています。イルフ童画館には武井武雄の作品も常設されています。子どもたちに生涯の宝物になるような美しい本の制作を望んでいます」(72歳・男性)

時代を越えて、私たちも次の世代へ、心の糧となるような作品を伝え、届けなければと、改めて強く思いました。展覧会の巡回は続きます。