お知らせ金子みすゞイベントレポート| 2025.07.02
長野県岡谷市 イルフ童画館での金子みすゞ展がはじまりました

童画家・武井武雄(1894-1983)の美術館、イルフ童画館(長野県岡谷市)で、展覧会「金子みすゞの詩(うた) 100年の時を越えて」がはじまりました。8月24日までの2か月間にわたって、開催中です。
みすゞのペンネームの由来となった信濃の国の枕詞「みすず刈る」の地に、みすゞの実物の3冊の手帳が展示されるのは、はじめてのことです(2002年に長野駅前で開かれた展覧会では、レプリカが展示されました)。
今回も、貴重な資料や、みすゞの作品に刺激を受けた現代の作家さんたちの作品なども展示されています。巡回を続けてきて、じわじわと、自筆でみすゞ作品を味わっていただく意義が浸透してきていることも、展覧会の制作に携わらせていただいた者としてうれしく実感しています。
武井武雄はみすゞより9歳年上ですが、みすゞとほぼ同時代に作品を発表していました。武井の描いた絵雑誌「コドモノクニ」の表紙を、みすゞが愛娘のふさえと楽しんでいたことは、手帳「南京玉」からうかがえます。大正から昭和にかけて生みだされた、子どもたちにも本物の芸術が必要だとする、武井の「童画」と、みすゞの「童謡」。根の部分は、共通する思想から生み出されています。
8月11日には、展覧会関連イベントとして春風亭柳枝さんの落語会を開催、みすゞの最後の一日を描いた新作落語「みんなちがって」を、すぐ近くのイルフプラザで演じていただきます。
この機会に、「みすず刈る」の地で、じっくりと金子みすゞを味わっていただけたらうれしく思います。
https://www.jula.co.jp/event/2025-misuzu-stage05/